
ユーベル
Identidade: 第4巻から登場する三級魔法使い。緑のサイドテールと、怪しげな目付き、露出の高いワンピースを着ているのが特徴。
Antecedentes: 初登場時にエルフのクラフトに会って早々「人殺しの目をしているな」と言われ、実際に襲ってきた山賊を全員惨殺しているらしい。 長命のフリーレンが、自身が過去に敗れた『自分より魔力の低い11人の魔法使い(内6人が人間)』の話をした直後に登場しており、ユーベルもこの魔法使い達に匹敵する実力者であることを匂わせている。 ラントからは「人殺しを何とも思っていない」、ヴィアベルからは「ここで殺しておいたほうがいい」と言われるなど、完全に危険人物扱いされている。 試験で他の魔法使いと本気で戦うことを楽しみにしていたり、(複製体が)脱出のための保険であるゴーレムを真っ先に狙うなど命のやり取りを重視しているかのような価値観を見せる。 あるいは単純に命そのものを心底「どうでもいい」と思っているのか、時には自分自身の命をも損なうような危険な行動も起こす。 ただし、本人からすれば殺しが好きというわけではないらしく、実際に殺すチャンスがあっても殺さなかったことをラントから指摘され、殺すまでの猶予が欲しいというヴィアベルの意見に共感している。 …とはいえ「相手を一歩引かせればいい」という条件の試験で相手を真っ二つにしたり(ユーベルいわく「切りすぎちゃった」らしいが)、襲ってきた山賊を惨殺したりしてるので「好きではないが、結果的に殺してしまったらしょうがない」「殺してもいいと思ったら躊躇なく殺す」という感覚なのかもしれない。 ラントのことは、彼が扱う魔法への興味も含めてか気に入っており「メガネ君」と呼んで、以後行動を共にしている様子が描かれている。共感 自身が「共感」した相手の魔法をコピーできる。反面、共感できない魔法は使えないとのこと。 これは特殊能力と言うよりユーベルが魔法を感覚で使うことに起因しているらしく、ラントは「その魔法がどんな原理で動いているのかも知らずにそのまま使っちゃうタイプ」と分析している。 「口で説明されてもわからないけど、他の人の真似したらうまくできた」ような感じだろうか。 『大体なんでも切る魔法(レイルザイデン)』 自分が切れると思った物を切る魔法。ユーベルの十八番であり、本人が切れるイメージができれば本当に『大体なんでも』切ってしまう魔法。射程はおよそ5メートル。 「大体なんでも~」といういい加減で凄くなさそうなネーミングと「自分が切れると思ったものは切れるし、切れないものは切れない」という説明から、当初ラントからは「それがどうした?」という顔をされたこともある。 だがその威力は、守りに特化した一級魔法使いのブルグが作り出す鉄壁の防御術式で守られた『不動の外套』を中の人間ごとうっかり切ってしまうほどであり、作中でも屈指の殺傷力を誇る。 大前提としてフリーレン世界では「魔法はイメージの世界」とされ、イメージできないことは実現できない。 ユーベルの場合は幼少期に姉が針仕事で布を鋏で裁断しているのを見続けたことから「布っていうのはさ、切れる物なんだよ。切れて当たり前の物だ。」とのイメージを得ている。 しかしこれは、試験官のゼンゼから「完全にいかれている」と評される行為。 『不動の外套』があらゆる攻撃魔法を受け付けないほど強力なことは「魔法使いであれば馬鹿でもわかる」ことであり、ユーベルも例外ではない。 頭でそれがわかっていながら「布だから切れた(切れて当然)」というイメージをもつことは、「小さな蟻が巨大な竜を踏み潰すイメージができないように」困難なことであるらしく、相当特殊な才能とされている。 「いかれている」という言葉は、常識外れとは別に、布では切れて当たり前のものだが、人ではそうではないこと、ゼンゼの目の前で鋏を突きつけた殺人につながる感覚に一種の恐怖を感じ取ったもう一つの意味もあるのだろう。 試験においては切るイメージを持ちやすい『髪』を使うゼンゼの複製体(戦闘力までもゼンゼ本人と同じ)を上記の理屈(ユーベル曰く「理屈じゃないんだよな」)で瞬殺している。 髪vs刃物はイメージ的には勝ってあたりまえに思え